焚き火をするうえで、欠かせない技術の一つに、バトニングがあり、バトニングによって、焚き火のコントロール性は格段に向上します。
しかし、バトニングは、刃物を用いるため、少なからず危険が伴います。
そこで今回は、このバトニングのやり方だけでなく、バトニングの危険性を少しでも減らすことができるようになるお手伝いをさせていただければ幸いです!
それでは、ぜひ、最後までよろしくお願いします!
目次
バトニングとは?
バトニングとは、主に焚き火の際に、薪や枝をナイフやナタ、アックスといったものを割っていき、適当な太さに調整していく作業です。
バトニングができるようになると、焚き火の際にくべる薪の太さを調節でき、火をコントロールしやすくなります。
バトニングをするときに必要なものは?
まず、バトニングで必要なものを見ていきましょう!
バトニングをするには、主に以下のものが必要です。
①薪
バトニングは、薪を割っていく作業なので、薪は必須です(#^.^#)
②ナイフ・ナタ・アックスなどの刃物
バトニングでは、薪をナイフの背をたたいて割ったり、ナタ・アックスでたたきつけるように割るので、刃物が必須です。
バトニングで使えるナイフをこちらで紹介しています!
③バトン(ナイフの背をたたく棒)
バトニングの名前にあるようにバトニングでは、バトンという主に木の棒を使うものでナイフの背をたたき、薪を割っていきます。
バトンにする木の棒に適するのは、腕の長さより短めで、持ちやすく、ある程度の重さがあるが良いです。
このバトンは、自分の手にフィットするようにナイフで加工すると、よりバトニングがしやすくなります!
④バトニング台
バトニングをするときには、土台となる丸太の輪切りなどを使ったバトニング台が必要です。
バトニング台は、ネットショッピングでもナイフのお店でも売っていることが多いので、比較的手に入りやすいです。
僕は、購入したバトニング台に少しオイルをしみこませて味を出しています(笑)!
バトニングの危険な点と解決策は?
バトニングでは、ナイフなどの刃物を用いるため、少なからず危険なことです。
バトニングで最も注意するべきことは、大動脈を切らないようにすることです。
大動脈とは、心臓から送り出された血液が通る太い血管のことです。
バトニングをするうえで出血させないようにする大動脈は、足の付け根にある血管です。
この血管をナイフなどで切ってしまうと、大量に出血してしまい、生命維持が困難になります。
この危険性をなくすには、いくつか方法はありますが、僕が実践していることは次の通りです。
① 明るい時間にする
② 股を開かない
③ ナイフの刃の直線上に股を持ってこない
②と③は似ていますが、③をすることで、大動脈を切る危険性はだいぶ抑えられると思います。
では、ひとつずつ解説します!
①について
アウトドアでナイフなどの刃物を使う際は、明るい時間にやるべきことを終わらせておくことが原則です。
刃物で切ると大変ですので、明るいうちにバトニングや工作などは済ませておきましょう!
爪切りを夜にするといけないと言われているのは、夜の暗い時間に刃物で爪を切るとケガをしやすく、そこからばい菌が入るからと言われています。
②について
バトニングで最も危険なことは、大動脈を切って大量出血を起こすことです。
大動脈は、股(足の付け根)にあり、ナイフを振り下ろす延長線上にあるため、大変危険です。
そのため、大動脈を守ると考えて、股をとじる(ひざをそろえる)と危険性は減ります。
③について
②と似ていますが、②に加えて、そろえたひざをナイフと約90度向きを変えるとよいということです。
②でも十分安全になりますが、少しの油断で足が開くと危険です。
そのため、足の角度をナイフの刃の延長線上と90度ほど変えてあげると、より安全になります。
僕もこのようにしています!
バトニングのやり方は?
バトニングは、ナイフを用いるときのやり方と、ナタやアックスを用いるときのやり方で少しだけやり方が変わってきます。
ただ、双方に共通なことは、ケガをするリスクを減らすことができれば、バトニングは薪が割れればそれでOKです!(^_-)-☆
ナイフでのバトニングのやり方は?
ナイフでのバトニングのやり方の手順は、以下の通りです。
また、自分に合ったナイフの選び方の記事は、こちらをご覧ください!
⑴ 薪の繊維方向にナイフなどの刃物を当てて、バトンで叩く
まず初めに、薪の繊維方向に刃物を入れます。
その後、木の棒などで作るバトンでナイフの背を叩いて木に刃を食い込ませます。
⑵ ナイフの背をバトンで叩き、薪を割っていく
次に、ナイフの背をバトンで叩いて、薪を割っていきます。
叩いていくときに、刃を斜めにしないように心がけましょう!
刃を斜めにしていると、たたいた時のエネルギーがうまく伝わらないので、地面と平行になるようにしましょう!
また、細い木の時は、刃の根元に薪を当てて刃先をバトンで叩くとよいです。
この反対で、太めの木の時は、刃の先に薪を当てて根元をバトンで叩くとよいです。
そして、一番忘れてはならないのが、そろえた足をナイフの刃の延長線上に対して約90度ずらすようにして座ってバトニングをするということです。
大動脈を切らないようにするために徹底しましょう!
⑶薪を全体の8割ほど割ったらナイフをひねって割る
バトニングをする際に、地面に刃が当たってしまって刃こぼれを起こしてしまうことがあります。
これを防ぐために、薪の8割ほどを割ったら、ナイフをひねって残りの2割ほどの長さを割りましょう!
ナイフをひねるだけでも、繊維に沿って割れてくれるので、簡単に割ることができます。
ナタ・アックスでのバトニングのやり方は?
ナタやアックスを用いたバトニングはナイフと違って、基本的にバトンを使って刃の背を叩きません。
そのため、薪に刃を食いつかせたら、刃と薪を一緒に地面(バトニング台)にたたきつけて割っていく方法をとることが一般的です。
では、手順を見ていきましょう!
⑴薪にナタ・アックスの刃を食いつかせる
まず、薪にナタやアックスの刃を食いつかせます。
この時、ナイフを用いる時と違い、バトンを使わないため、ナタ・アックスを振りかぶって薪に食いつかせます。
この作業で、薪に当たらずにからだに当たってけがをする可能性が増してしまいます。
この危険性を減らすために、最初は、ペグ打ちと同じように小刻みに薪にナタ・アックスを食いつかせるとよいです。
⑵ナタ・アックスを地面(バトニング台)に薪と一緒に打ち付ける
⑴のあとに、ナタ・アックスに食いついている薪と一緒に地面やバトニング台に打ち付けてその反作用で薪を割っていきます。
ナイフを用いる場合と異なり、バトンがないため、割るのが少し難しいですが、慣れるととても簡単にできますので、練習をしてみてください。
そして、ナタ・アックスを使ったバトニングにおいても大動脈を切らないようにすることは徹底しましょう!
ナタ・アックスを使っているときは、ついついこのことを忘れがちになってしまうかもしれませんが、ナイフより力が入ると危険な刃物なので、ナイフ以上に気をつけましょう!
⑶薪の8割ほど割ったらナタ・アックスをひねって割る
ナイフと同じく、さいごの2割ほどの薪はひねって割りましょう。
ナタ・アックスは、勢い余って8割など難しいですが、あくまで目安ですので、木の状態や経験を積んでバトニングしてみましょう!
ナイフとナタ・アックスの使い分け方は?
ここまで、ナイフとナタ・アックスのそれぞれのバトニングのやり方を紹介してきましたが、これらの使い分け方を紹介していきたいと思います!
簡潔に言うと、細く細かい作業をしたいときはナイフ、太く大きな薪を割る作業をしたいときはナタ・アックスをつかうといった感じです。
細かく「○○cmならナイフ」とは言えないので、大まかな目安として、ナイフの刃の長さの2/3以下の太さの薪ならナイフ、これより太ければナタ・アックスと考えておきましょう!
まとめ
バトニングとは?
バトニングとは、主に焚き火の際に、薪や枝をナイフやナタ、アックスといったものを割っていき、適当な太さに調整していく作業です。
バトニングで必要なものは、燃料となる薪、薪を割るナイフやナタ、アックスなどの刃物、ナイフの背を叩くバトン、バトニングの際に土台とするバトニング台などです。
バトニングは刃物を使うため、危険がほかの作業と比べて大きいです。
バトニングで最も注意すべきことは、足の付け根にある大動脈を切って出血をしないようにすることです。
そのために、以下のことをして、ケガのリスクを減らしましょう!
① 明るい時間にする
② 股を開かない
③ ナイフの刃の直線上に股を持ってこない
バトニングのやり方は?
バトニングのやり方は、ナイフを用いる際と、ナタ・アックスを用いる際で少し変わってきます。
ナイフを用いる際
⑴ ナイフの背をバトンで叩いて薪に食い込ませる。
⑵ ナイフの背をバトンで叩いて薪の長さの8割程度を割る
⑶ 残りの薪の2割ほどの長さを、ナイフをひねって割る
ナタ・アックスを用いる際
⑴ ナタ・アックスを薪に食い込ませる。
⑵ 食い込んだ薪とナタ・アックスを地面やバトニング台にたたきつけて薪の長さの8割程度を割る
⑶ 残りの薪の2割ほどの長さを、ナタ・アックスをひねって割る
ナイフとナタ・アックスの使い分け方は?
ナイフとナタ・アックスの使い分ける基準は、ナイフの2/3以下程度の太さの薪ならナイフ、これ以上ならナタ・アックスを使うとよいです。
さいごに
最後までご覧になっていただきありがとうございます。
僕はバトニングを習得するのには、とても長い時間がかかったわけではなかったですが、それは、ナイフを売ってくれたお店の店員さんが直伝してくれたからです。
この記事が、その店員さんのように説明できている自信はありませんが、精いっぱい書きました。
皆さんのスキルが少しでも上がってくれればうれしいです。
次回の記事もお楽しみに~